植月正章
著者のコラム一覧
植月正章元アシックス営業本部長

1938(昭和13)年、鳥取県智頭町生まれ。57年オニツカ㈱入社、77年㈱アシックス推進部長、84年理事、88年取締役販売促進部長、93年常務取締役アスレチック事業本部長、99年専務取締役フットウエア営業本部長。2003年任期満了に伴い退任後、兵庫陸上競技協会会長、神戸市体育協会副会長、兵庫県体育協会副会長、神戸マラソン実行委員会会長、近畿陸上競技協会会長などを歴任。

<4>「東洋の魔女」を口説くため、仕事が終わるとニチボー貝塚へ日参した

公開日: 更新日:

 翌日、上司に毎日定時で終える許可をもらいにいった。

「なんでや?」

「ニチボー貝塚をどうにか落としたいのです。もちろん夕食代も交通費もいりません」

「わかった」

 その日から貝塚工場に通って練習の球拾いが始まった。帰宅は連日深夜でも、8時の始業時間に遅れたことはなかった。

■「いつかオニツカを…」

 背広からポロシャツに着替えて連日の球拾いも、小島監督や選手は相変わらず冷たい。試合会場に新モデルのシューズを持参したときには、ある選手に投げ返されたこともある。

「いつかオニツカを履かせてみせる……」

 悔しさを何度もこらえ、体育館でボールを拾い続けていた。

 この間に行われた1968年のメキシコ五輪は日立、ヤシカの選手が中心。日立の山田重雄監督が指揮を執り、ソ連に負けて銀メダルだった。

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