W杯最終予選初戦で格下オマーンに痛恨黒星…先が思いやられる森保J「4つの深刻問題」

公開日: 更新日:

 1998年フランス大会からW杯6大会連続出場の“サッカー強国”日本(世界ランク24位)が、格下に足をすくわれた。

 2022年カタールW杯最終予選の初戦(2日)となったオマーン代表(同79位)戦で攻守ともに精彩を欠き、終了間際の失点でまさかの敗戦。

 前回ロシアW杯に続いて最終予選初戦が黒星スタートの屈辱である。

■ストライカー人材不足また露呈

「日の丸を背負ってホームの試合にフル出場。その重みが分かっているのか? と問いただしたくなるようなパフォーマンスに終始した」

 元日本代表エースFWの釜本邦茂氏がこう苦言を呈するのが、1トップで先発したFW大迫勇也(31=神戸)のプレーだ。

「大迫は一体何をやろうとしているのか、本気でシュートを打つ気はあるのか、仲間をどう生かすつもりか……すべてのプレーが不可解だった」

 サッカー関係者が話を引き取る。

「頼れるストライカー不在が森保ジャパンの懸案事項。大迫は東京五輪代表OA枠入りが内定していたが、森保監督は五輪代表に選んだ鹿島FW上田をポスト大迫と位置付け、五輪で活躍→W杯最終予選に起用→W杯本大会でブレーク――という青写真を描いていた。しかし、上田に加えて五輪代表入りしたFW前田も林もA代表レベルに程遠く、明らかにレベルダウンした大迫に頼らざるを得ないところが、日本サッカーのストライカー人材不足を際立たせている」

■守備の要・冨安不在の穴

 センターバックは、DF吉田麻也(33=サンプドリア)がA代表、東京五輪でコンビを組んだDF冨安健洋(22)がアーセナル移籍で欠場。この日の相棒はDF植田直通(26=ニーム)が務めた。先発でコンビを組むのは3度目。急造コンビは後半43分についに失点し、吉田は「負けるべくして負けた。テンポもコンビネーションも全て良くなかった」と振り返った。

 元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう言う。

「2人のコンビネーションは良くなかったですね。身長186センチの植田は高さがあってフィジカルは強いが、キックの精度が良くありません。長友へのパスがミスになったり、冨安のように攻撃の起点になるようなパスが出せない。失点の場面もマークにつけず、ボールを見守る形で決勝点を与えてしまった。オマーンの得点を決めた選手は、途中出場で2トップの位置に入った背番号2の選手。本来はトップの位置にいるはずのないサイドバックの背番号ですから、あるいは注意力が散漫になったのかもしれませんが……。吉田、冨安と控えのレベル差も懸念材料です」

■不動の左SB長友の衰え

 DF長友佑都(34)は「ありえない敗戦。課題が見えたので修正して次は絶対に勝ち点3を取りにいく」と吐き捨てた。その長友にしても、現在は無所属ながら、この試合が代表126試合目。不動の左サイドバックと言えば聞こえはいいが、ここにも日本代表の不安が表れる。前出の六川氏が続ける。

「長友は相変わらず運動量は豊富で、フィジカルでは負けていませんでした。それでも、後半は足に負担がかかり、かつての巻くような速いアーリークロスは影を潜め、曲がらなかったり、ふかしてしまったり、相手に当ててしまうなど、精度が悪くなりました。右サイドバックの酒井もそうですが、2人が前線に上がったスキをオマーンのスピードのある両サイドバックに再三突かれていた。失点の場面も、長友ではなく、柴崎がカバーしたものの、クロスを上げられた。左サイドバックには五輪組の中山が入ることがあるが、本職ではないし、他に攻撃的な選手はいても、守備ができる選手が見当たらない。若手が育っていないから、いつまでも長友に頼らざるを得ないのです」

■頭の固い指揮官

 森保監督への風当たりも強くなる一方だ。

 オマーン戦には、2次予選を全勝で突破したメンバーを優先的に起用して東京五輪世代から選出された久保、堂安ら4選手はベンチスタートだった。就任当初から「年功序列とか実績重視でメンバーを選び、先発させる<頭の固い>指揮官」というのが、サッカー界では定説になっている。

 試合中の選手交代にしても、状況に応じてフレキシブルに対応できるタイプではなく、常に後手に回ってしまうことが多い。オマーン戦はセルティックでゴールを量産中のFW古橋亨梧(26)を後半から左MFとして起用したが、なぜ不調の大迫に代わって主戦場のFWで使わないのか。多くのサッカー関係者が首をひねっている。「思い切って外国人監督を招聘すべき」という声は根強い。

「これで次戦のアウェー中国戦で勝ち点0となると指揮官の去就問題に発展しかねない」とは前出の釜本氏。森保ジャパンの前途は多難である。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    謎多き北朝鮮の「負けたら強制労働」は事実か、日本の敵情分析力はどの程度なのか

  2. 2

    佐野海舟のプレミア移籍を妨げた“お金の事情” クリスタルパレス入りかなわず独マインツ残留に

  3. 3

    イメージ一変? サッカー日本代表FW塩貝健人「もう一つの顔」

  4. 4

    冨安離脱、板倉不調の森保ジャパン…ロス五輪代表主将・市原吏音を「呼ぶべきだった」

  5. 5

    塩貝健人〈前編〉主要5教科は「オール5」も成績評価は“4.9”…慶大FWの強みと意外な弱点(國學院久我山高サッカー部監督・李済華)

  1. 6

    ウルグアイ戦で日本代表初の兄弟同時スタメン! 佐野海舟&航大が持つ“ピッチ外の強力武器”

  2. 7

    塩貝健人〈後編〉偶然なのか、意図的なのか…意見が分かれる代表デビュー戦の決勝アシストを解剖(國學院久我山高サッカー部監督・李済華)

  3. 8

    「本田圭佑2世」松木玖生が代表デビューで一発回答! 初招集・初先発・初シュート・初ゴールの離れ業

  4. 9

    第3次森保ジャパン初招集4人で生き残るのは…鎌田大地&三笘薫の「後継者候補」2人の名前

  5. 10

    欧州初の日本人指揮官誕生へ 森保一監督の“再就職先”は「ベルギー1部の日系クラブ」一択か

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    伊原陵人の女性トラブル報道と関係が? 阪神の若手有望株を巡る“不可解な塩漬け”

  2. 2

    NHK「のど自慢」見ていて、あの政党の党勢縮小の理由がわかった

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    維新から入閣の中司宏新大臣に案の定「裏金疑惑」…高市内閣は支持率20ポイント暴落もある

  5. 5

    DeNA構想外の藤浪晋太郎を拾いそうな「意外な2球団」 “瀕死の剛腕”にはこれだけの魅力

  1. 6

    藤島ジュリー景子もう復活 懲りない真っ暗闇集団「旧ジャニーズ」と、それを許すテレビ局

  2. 7

    『ペイパーバック・ライター』60年前の日本との実力差を感じる凝った機材セッティング

  3. 8

    藤島ジュリー景子氏「復権の宴」と、「死ぬほど悔しい」と今もむせび泣くジャニー喜多川氏性加害被害者の肉声

  4. 9

    水前寺清子(4)気をつけていることといったら、「自分の心と違うことは言わない」ぐらいかな

  5. 10

    結核とは違う感染症「非結核性抗酸菌症」患者が増加…人からうつらないのに感染するのはなぜ?