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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

世界陸上でクラスター発生…「スポーツ産業国」である日本の驕りが希薄な危機感を生む

公開日: 更新日:

 世界陸上選手権が終わった。競歩や女子やり投げの北口榛花の活躍はあったが、盛り上がりに欠けた。理由は日本チームのコロナ感染クラスターだ。

 人気種目のマラソンでは鈴木健吾、一山麻緒、新谷仁美という期待選手が直前に消え、お家芸を自負する400メートルリレーも小池祐貴の欠場で編成が乱れて最後は失格。最終的に選手6人を含む19人が戦線離脱した。大会全体の感染者数は選手10人の計58人だというから、異常な数字だ。日本でも知られる女子マラソンの元女王、ロザ・モタは米国出国時の検査で陽性になったそうだが、新型コロナウイルスは誰もが感染する。問題はクラスターだ。

 米国入国には2度のワクチン証明と出国前24時間以内の抗原検査の陰性証明が必要で、選手団全員が陰性で渡航した。事前合宿したマラソンなど、19人は米国内で感染したわけだ。

 日本人は真面目だから必要以上の検査をしたなどと言う人もいるが、陸連は「発熱などのため選手村内でPCR検査を施行したところ」と発表している。検査したから分かったのではなく、分かってから検査したのだ。

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