著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

電通に頼り切りだったJOC…特捜が動く五輪組織委元理事の収賄疑惑の背景

公開日: 更新日:

 東京五輪パラリンピック大会組織委が6月30日に解散した日、橋本聖子組織委会長が「誰も経験したことのない(コロナ禍での)大会を乗り越えた『人』がレガシー(遺産)」と胸を張ったが、組織委の理事を務めた高橋治之氏もレガシーなのだろうか?

 在任中に、自身が代表取締役を務めるコンサルティング会社が東京五輪スポンサーの紳士服大手「AOKIホールディングス」(AOKI)とコンサル契約を結び、AOKI側から4500万円超を受領、それが高橋氏への資金提供だった疑いがあると東京地検特捜部が捜査している。

 コロナ禍での五輪に反対する人々がいる中で開催された東京2020は、選手たちの全力を尽くす姿が感動を呼び、それまでにかなり傷ついたオリンピックのイメージを挽回したはずだった。高橋氏への疑惑によってその名誉は再び危機に瀕している。

 そもそも高橋氏が組織委の理事になぜ名を連ねたのか? それは彼が電通OB(元専務)であることに大きく関係している。組織委事務局は政府、都、スポンサー企業などからの出向で成り立っている。五輪運営の専門知識はもちろん、資金繰りもイベント運営も、広報も、企画も、メディア対策も一から始めなければならない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ