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安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

「NO.1左腕」白鴎大・曽谷龍平の肩甲骨の可動域は工藤公康を想起させる

公開日: 更新日:

曽谷龍平(白鴎大/21歳)

 アップが終わった外野の芝生で、白鴎大・曽谷龍平投手のキャッチボールが続く。

 ブルペンに入る前のひととき、塁間ほどの距離(約25メートル)で、踏み込む位置を確かめ、トップの姿勢を確かめ、投じた球道に乱れがないか、一球一球丁寧に確かめながら、入念なキャッチボールを繰り返す。

■「頭のてっぺんから糸を張る」

「キャッチボールがピッチングのキモだと思ってます。自分の頭のてっぺんから、相手の頭のてっぺんに糸を張って、その上でボールを走らせるようなイメージで」

 聞いて驚いた。試合後の囲み取材からはうかがい知れない高い意識。キャッチボールを大切にする投手に、悪いヤツはいない。ブルペンの投球を、捕手の背中側から見る。

 ウワッ!

 ストライクゾーンなのに、思わず顔をよけてしまった。

 えげつないストレートだ。左腕にしか投げられないクロスファイアの斜めのラインがハッキリ見える。きちんと半身の姿勢をつくって、そこからさらに左肩が後ろに反るほどの肩甲骨の可動域。その分、腕の振りが一瞬遅れて、打者のタイミングを難しくする。

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