著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス界の主役は来季もジョコビッチになる根拠 世代交代の潮流に抗う存在感

公開日: 更新日:

 テニスの全日程が終了した。コロナの影響が残るシーズンだったが、世代交代のもようをうかがわせつつ、来季のスリリングな展開をにおわせた結末だ。

 最終ランキングのトップは19歳のカルロス・アルカラス(スペイン)で、ナダルを挟んで3位は23歳のキャスパー・ルード。トップ10に定着したチチパスのギリシャも珍しかったが、ノルウェー出身はキャスパーの父クリスチャン以外に聞かない。着実に多様化が進む中、終盤、潮流にあらがうノバク・ジョコビッチの存在が際立った。

 ウィンブルドン4連覇。英国政府の対ロシア政策の都合で優勝ポイント2000は付与されなかったが、本来なら合計ポイント6820でアルカラスに並び、全米でプレーできなかったことを考えれば実質ナンバーワンである。42勝7敗で優勝5回のシーズンを6度目のツアーファイナル優勝で締めくくった。9月のテルアビブ以降の18勝1敗という抜群のパフォーマンスには理由があっただろう。

 ジョコビッチはワクチン接種を拒否し、今年1月の全豪オープンでは国外退去の屈辱をなめた。この措置を受けると、向こう3年間入国できない罰則規定がある。ところが、ツアーファイナルの最中、オーストラリア政府が入国を認める方針とのニュースが流れた。全豪で通算優勝9回の記録を持つ男は「最高にうれしい」と大喜びした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 5

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  1. 6

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  2. 7

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  5. 10

    男子の試合はガラガラ…今年のANAオープンのギャラリー数を知って愕然としました