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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス界の主役は来季もジョコビッチになる根拠 世代交代の潮流に抗う存在感

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 しかし、ジョコは既にこの情報を持っていたはずだ。ウィンブルドン後の最初の大会は、大陸対抗戦のレーバー・カップで、今年はロジャー・フェデラーの引退の舞台となり、ナダルと共に3強時代をつくり上げた男にはひときわ感慨深いセレモニーだった。

 そして、舞台裏でさらに重要なことがあった。全豪のディレクター、クレイグ・タイリーが駆け付けジョコと話し合っている。今年の全豪で州政府を説得し、非ワクチンのジョコにGOサインを出した責任者である。連邦政府が民意をくんで一転、入国を拒んだのだが、5月の選挙で首相が代わり、コロナ政策が変わり、入国制限が撤回され……問題は罰則解除だけ。

 レーバー・カップで、ジョコはタイリーから入国禁止措置が外される見通しを聞いたから、直後のテルアビブに急きょエントリーし、そこからの4大会すべて決勝に進み3大会で優勝……来季への意気込みであり、ポスト・フェデラーへの決意、テニスへの“飢餓”、熱い闘志に他ならない。準備万全、アルカラス、待ってろよ、ということだ。

 11月19日、有明テニスの森にフェデラーを迎え、ユニクロのイベントが開かれた。ロジャーの快活なトークは楽しかったが、同席した錦織圭を見るのはつらかった。歩行もおぼつかない状態で全豪出場は厳しい。ジョコの時代は続く。ここは焦らず治療に専念して欲しい。

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