吉田正尚「5年123億円」Rソックス入りの全内幕 なぜ交渉解禁から数時間でスピード決着?

公開日: 更新日:

タンパリングを疑う声も上がった数時間のスピード決着

 吉田のポスティング申請がMLBに受理され、各球団との交渉が解禁になったのは日本時間7日の夜10時。代理人のスコット・ボラス氏が吉田に「レッドソックスに決まったぞ」と電話をしたのは、昨8日の早朝。わずか数時間のスピード決着だ。

 通常、ポスティングやFA選手の移籍は時間がかかる。代理人は各球団の条件を精査し、彼らとコンタクトを取り、金額の上積み交渉などを行う。ボラス氏は「多くの球団が即座に反応した。通常の2倍3倍の速さだった」と話したが、ポスティングの交渉期間は45日間。使える時間はいくらでもあったはずだ。

 となれば疑われるのがタンパリング。交渉解禁前から吉田の代理人サイドが各球団と接触、すでに条件などを知っていたから即決できたのではないか。実際、日米球界の内外でそんな声も上がっている。野球文化学会会長で、名城大准教授の鈴村裕輔氏は「不正な事前交渉を疑うのも無理はありませんが」と、こう続ける。

「タンパリングはバレた時の罰則が大きい、非常に危険な行為。過去にはGMのクビが飛んだこともある。吉田は確かにいい選手ですが、そうしたリスクを冒してまで獲得する必要があるかと言えば……。レッドソックスとしては吉田の出塁率などを高く評価した上で、交渉を長引かせないために出せる金額の上限を提示。ボラス氏も、ここでゴネるとご破算になりかねないと判断し、両者ともに素早い意思決定ができたのでしょう」

 当の吉田が「ビックリ」と驚いたスピード契約に「裏」はないというのだが……。

■NY以上にシビアなボストンのメディアとファンの気質

 本拠地のボストンは治安が良く、全米でも「住みやすい都市」のひとつといわれる。

 周囲にはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学のある学術都市としても有名だが、メジャーリーガーにとって必ずしも居心地の良い場所ではなさそうだ。

 米コラムニストのビリー・デービス氏がこう解説する。

「インテリのエリートが多く、スポーツ選手に対する敬意は希薄です。ファンやメディアは期待を裏切った選手のことをそれこそクソミソにたたきますから。地元の2大紙のボストン・ヘラルドとボストン・グローブは以前から、主力選手とは険悪な関係にある。かつてのエースのペドロ・マルティネス、主砲のマニー・ラミレスは、メディアにたたかれるのが嫌でチームを出たがったほど。スタンドの地元のファンも、不甲斐ない選手に対しては当たり前のように激しいブーイングを浴びせる。主力選手にかかる重圧はある意味、ヤンキース以上かもしれません」

 まして吉田は「5年総額9000万ドル」で契約合意。1年あたり1800万ドルは野手でトップクラス。単なるレギュラーどころか、「優勝請負人」としての金額だ。

 球団はもちろん、それだけファンやメディアの期待も大きいわけで、その分、彼らの期待を裏切ったときの「反動」もケタ違いにデカい。「ヤンキースの選手以上」のバッシングを浴びることになる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網