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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツ界は「多様性」が叫ばれるが…テニス「男女同額賞金」という絵に描いた餅の実態

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 テニスは男女のマスターズ戦が、米国西海岸のインディアンウェルズで終盤に入っている。フロリダへと続く“サンシャインダブル”でシーズンが佳境に向かうそんな折、男子の新鋭デニス・シャポバロフがSNSでツアー賞金の男女差解消を訴えた。ガールフレンドの賞金を聞いて愕然としたそうだ。

 4大大会の賞金が男女同額になって久しい。それはそれで、「女子の試合はつまらない」とか、「男子は5セット、女子は3セットマッチで同額は逆差別」など不満はあるのだが同じ3セットによるツアーでの賞金差は確かに大きい。

 例えば男子のレベル500は北京オープンが380万ドル、ジャパンオープンが218万ドル。これに対し、同じ500の女子はアブダビとカタールが78万ドル。レベル250では男子約70万ドルで女子約26万ドル……シャポも驚いたわけだが、だからといって性差に落とし込むのは短絡的に思われる。

 コロナ前の2017年、ATPの賞金総額は1億3752万ドルに対し、WTAは1億3900万ドルだった。女子のツアーファイナルの賞金が男子の1.5倍だった時期もあるからだ。

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