ロッテ佐々木朗希まんまとハマる…今季最悪6回4失点の裏にDeNAが仕掛けた「心理戦の罠」

公開日: 更新日:

「投手にすればしんどいし、イライラする。正当なやり方ではないとは思いますが、あくまで勝負の世界ですからね」

 こう話すのは巨人OBの評論家、高橋善正氏だ。

 18日、ロッテ佐々木朗希(21)が6回4失点で今季2敗目(5勝)。DeNAの「カット戦法」にハマり、試合後は無言で帰路についた。

 佐々木はまだ育成段階ということもあり、球数やイニング数に制限がある。球数が増えれば増えるほど降板のタイミングは早くなる。

 DeNAは二回、宮崎が4球連続ファウルを含む8球も粘るなど、三回までに1安打ながら打者9人で57球を投げさせた。六回、牧が勝ち越しの三塁打、宮崎が2ランを立て続けに放ったのは、佐野が9球を粘った直後だった。

 冒頭の高橋氏は「勝負した上で粘られるのは仕方ありませんが」と、こう続ける。

■まともに戦ったら難しい

「あからさまに前に飛ばす気のない、バットに当てるだけのファウルが続くと、『ちゃんと勝負しろよ』と腹が立つ。イライラして力めば制球は狂いやすい。佐々木の場合は球数制限があるので、早く仕留めたいという焦りもあったはずです。さらに球数を投げれば投げるほど、球筋をじっくり見られてしまうことにもなる。DeNAにすれば、まともに戦ったのでは難しいと判断したからこその作戦ではないか。もちろん、佐々木にとっては何のなぐさめにもなりませんが」

 六回の牧の適時打、宮崎の2ランはいずれも初球だった。

 DeNAの心理戦に屈した球界の至宝。これもまた勉強か。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  5. 5

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  1. 6

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  2. 7

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  3. 8

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  4. 9

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する