東京五輪に最年少20歳で出場するも「世界から見たら三流のサッカー選手」と打ちのめされた
最年少の20歳で出場した東京五輪は、FWの控えメンバーやった。でも渡辺正さん(当時28歳=八幡製鉄)が、夏の欧州遠征で負傷したこともあり、先発のチャンスが転がり込んできた。
初戦は雨の中での強敵アルゼンチン戦。先行されるたびに杉山隆一さん(23歳=明治大)と川淵三郎さん(27歳=古河電工)のゴールで追い付いて、最後は小城得達さん(21歳=中央大)が決勝ゴールを決めた。
東京五輪で語れるプレーと言えば、この川淵さんのゴールをアシストしたことくらいやな。本来ならばセンターフォワードの私が、右ウイングの川淵さんや左ウイングの杉山さんのセンタリングを相手ゴール前で待ち構え、頭や足でズドン! と強烈シュートを放って仕留めるというパターンのはずだった。
でも、実際には左サイドに流れていた私がタッチライン際からセンタリングを入れ、走り込んだ川淵さんが地面ギリギリのダイビングヘッドでネットに突き刺した。
左サイドは杉山さんの持ち場なので「釜本は左に行かない」という決まり事があった。なのにアシストの場面だけは左サイドにいた。どんな状況からそうなったのか、今でも腑に落ちない。