オリオールズ藤浪晋太郎を復活させた敏腕代理人の慧眼 メジャースカウトが証言

公開日: 更新日:

 役割問わず、チームのためにフル回転である。

 オリオールズの藤浪晋太郎(29)が昨16日のパドレス戦に3番手として登板。アスレチックスから移籍後は主にリードしている場面での起用が多かったものの、この日は1-10で9点ビハインドの六回、敗戦処理としての登板だった。

 四球で走者を出しながらも、21年本塁打王のタティスを3球三振に仕留めるなど、無安打無失点で切り抜けた藤浪。日米通して自身初セーブを挙げた14日のマリナーズ戦とは対照的な登板シチュエーションとなったが、オリオールズにとって「なくてはならない」投手のひとりとなっているのは間違いない。

 そんな藤浪の活躍で評価を上げているのが、代理人を務めるスコット・ボラス氏だという。

 メジャー球団のアジア担当スカウトが「さる代理人筋からこんな話を聞いた」と、こう続ける。

「藤浪が渡米する直前、ボラスサイドは『直球とフォークを入念に投げ込んでから米国に来なさい』と助言していたというのです。逆に、阪神時代に多投していたスライダーに関してはあまり良い顔をしなかったそうです。というのも、スライダーは投げれば投げるほど無意識に腕が横振りになりやすい。横振りになれば、球はシュート回転し、しかも、右打者の内角に抜けやすい。藤浪はこの抜け球を気にし過ぎて、制球力を乱してしまう。つまり、ボラスサイドはスライダーの割合を減らせば暴投も減る、と考えていたようです。もともと直球は球速、威力ともに十分だし、日本人投手のフォークがメジャーで通用するのはすでに証明されている。さらにフォークは腕が縦振りなので、いくら投げても体が横にブレる心配もない」

 藤浪はオリオールズに移籍後はスライダーの割合が激減。アスレチックス在籍時は全投球の9.5%だったのが、オリオールズでは4%と半分以下になった。これも活躍の要因のひとつだろう。

 日本でくすぶっていた剛腕を復活させた、敏腕代理人の慧眼である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃