大谷翔平が「右肘靱帯損傷」でも試合に出続ける本当の理由…プレーオフは絶望的なのに

公開日: 更新日:

「大谷が画像診断を受けたのはケガをした後だった。少し前に検査を提案したが、大谷と代理人はそれを断った」

 日本時間27日のメッツ戦の試合前、エンゼルスのミナシアンGMがこう言った。

 大谷の右肘靱帯損傷が発覚したのは24日。それまでチーム最多の126試合に出場、DHはもちろん、投手としても原則中5日でフル回転していた。それだけにエンゼルスはなぜ、大ケガをするまで酷使したのかと全米からバッシングされていた。ミナシアンGMはそういった批判をかわしたかったに違いない。

「ケガの責任は大谷サイドにある」と強調したわけで、オフにFAになる大谷の心証を害してどうするのかという疑問はあるものの、GMによれば検査の必要はないと試合に出続けることを望んだのは大谷側だ。とすれば責任の所在は本人にもあるわけで、GMだけが矢面に立たされている現状に大谷サイドが事情を明かして欲しいと“助け舟”を出したのかもしれない。

 それはともかく、もうひとつ、根本的な疑問は残る。

 右肘靱帯を損傷しているのだから、今季は投げないというのは理解できる。が、打者として出場し続けなければならない理由は何かということだ。

 大谷は同様に右肘靱帯を損傷した2018年も、同じ道を歩んでいる。9月に入ってその年2度目の靱帯損傷が判明するも、最後まで打者として出場し続け、シーズン終了後にトミー・ジョン手術を受けた。

■「打撃はできる」とダル

 ダルビッシュ(37=パドレス)は25日深夜、自身が配信するネットラジオでこう言っている。

「靱帯を損傷しても、基本的に打撃はできる。右打者は(右肘に負担がかかりやすいので)難しいが、左打者なら普通にスイングできる。それで痛みが出るなら(試合に)出させたらダメだけど、僕は別に大丈夫だと思う」

 むろん損傷の度合いにもよるが、大谷本人が平然と打席に立っているのだから、打つこと自体は可能なのだろう。

 18年当時の大谷はルーキー。投手として10試合で4勝2敗、打者としては114試合で打率.285、22本塁打、61打点。先発の合間に打者として出場する感じだったから、二刀流としては未完成。それなりの結果を出して、メジャーでも二刀流選手として認知されたいという思いもあったに違いない。

 しかし、いまは状況が異なる。昨季、ベーブ・ルース以来の2ケタ勝利2ケタ本塁打を達成。メジャー史上初となる投打の規定到達もクリアした。メジャー史上ナンバーワンの二刀流選手として全米で認知され、今季最大の目標は「ヒリヒリした9月を過ごす」ことだった。

 27日現在、エンゼルスは地区同率首位のマリナーズ、レンジャーズから10.5ゲーム離された4位。ワイルドカードによるプレーオフ進出圏内まで9.5ゲーム差と、ほとんど絶望的だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  1. 6

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  2. 7

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  3. 8

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」