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黒崎久志中国超級・青島西海岸 前監督

1968年5月8日生まれ。栃木・鹿沼市出身。宇都宮学園高から87年にJSL1部の本田技研入り。92年に移籍した鹿島でジーコの薫陶を受けながら活躍。京都、神戸、新潟、大宮でもプレーして2003年に現役引退。新潟で監督、大宮と鹿島でコーチを歴任。21年2月から中国超級(1部)の山東泰山、武漢三鎮のコーチを経て24年に超級・青島西海岸の監督に就任。日本代表24試合・4得点。

中国サッカーは日本のライバルになれるのか 勝利したドイツ&トルコ戦は大きな話題に

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25年間、一度も中国に負けていない

 1998年3月7日、フランスW杯出場を決めていた日本代表が、国立競技場で行われたダイナスティカップ・中国戦を0-2で落としましたが、その日を境に日本が中国を圧倒するようになります。

 その後、日本と中国は14試合を戦って日本の8勝6敗です。ここ25年、一度も中国に負けていないのです。この差を埋めるためには、中国の選手もヨーロッパでの経験を積むしかないでしょう。

 中国のサッカーバブル華やかなりし頃なら、ヨーロッパに行くよりも国内にいたほうが稼げたかもしれません。

 ですが、サッカーバブル崩壊後は次第に年俸も下がり、今やJリーガーと同程度の年俸ではないか、と言われています。

 それならばヨーロッパに渡った方が良いという考え方もあるでしょう。

 が、そこにはひとつの問題が横たわっています。

 ヨーロッパ1年目というのは、国内よりも年俸が下がる可能性があるのです。

 同じ状況の日本人選手もいるはずですが、それでも日本人はヨーロッパで実績を積み、もっと高額な年俸を手に入れよう、もっとサッカーが上達できる環境に身を置こうと果敢に海外を目指します。

 中国人選手は、ヨーロッパ1年目の年俸が下がるとなると海外挑戦をためらう傾向があります。

 さらには、自分たちにとって過ごしやすい母国を離れ、異国で苦労することにマイナスイメージを抱き、二の足を踏んでしまいます。

 サッカー選手としてレベルアップすることよりも、年俸や生活の方が優先順位は高いのです。

 素材としては、とても素晴らしい選手たちが揃っているのでもったいない気がします。

 もし多くの中国人選手がヨーロッパに進出するようになり、チームプレーを学んで母国に還元するようになれば、アジアの強豪国になるのは間違いないでしょう。

 日本の強力なライバルとなる日を待ち望んでいます。 =つづく

(取材・構成=森雅史/サッカージャーナリスト)

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