著者のコラム一覧
黒崎久志中国超級・青島西海岸 前監督

1968年5月8日生まれ。栃木・鹿沼市出身。宇都宮学園高から87年にJSL1部の本田技研入り。92年に移籍した鹿島でジーコの薫陶を受けながら活躍。京都、神戸、新潟、大宮でもプレーして2003年に現役引退。新潟で監督、大宮と鹿島でコーチを歴任。21年2月から中国超級(1部)の山東泰山、武漢三鎮のコーチを経て24年に超級・青島西海岸の監督に就任。日本代表24試合・4得点。

中国のサッカーバブルは完全崩壊 “金満国家”サウジ主導の選手爆買いには太刀打ちできず

公開日: 更新日:

武漢編(3)

 2022年の中国超級(1部)リーグ王者の「武漢三鎮足球倶楽部(ホーム・湖北省武漢市)」でヘッドコーチとして働くようになって4カ月。

 今季はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場の3位以内に入れるように高畠勉監督以下、チーム全員が一丸となって戦っています。

 中国で初めてコーチになったのは21年2月。山東泰山足球倶楽部(ホーム・山東省済南市)」のヘッドコーチでした。

 ちょうど新型コロナウイルスの猛威をふるっている時期でしたが、それでも国内2カ所での集中開催を決め、リーグ戦を敢行したパワーには驚きました。

 その当時、中国ではサッカーバブルが弾けようとしていた時期でもありましたが、まだほんのりと残り香は漂っていました。

 2012年以降、中国のサッカーバブルは世界を席巻していました。

 アルゼンチン代表のラベッシの年俸は約60億円、ブラジル代表のオスカルは約40億円、イタリアのリッピ監督の年俸は、約23億円と言われていました。

 川崎や東京Vで活躍したブラジル代表のフッキは移籍金68億円、年俸約24億円と言われて「大金を稼ごうと思うのなら中国のクラブに移籍する」のが一般的だったのです。

 2021年に中国に来た頃を思うと今はすっかり情勢が変わりました。

 まず、新型コロナウイルスはもう誰も気にしなくなりました。2022年12月7日、いきなり多くの制限が撤廃されるとあっという間に日常的な生活が戻っています。

 そしてもうひとつ、中国のサッカーバブルはすっかり影を潜めてしまいました。

 高騰する一方の年俸に中国サッカー協会が危機感を募らせて引き締め政策を図ったことと、中国の不動産バブルが完全に崩壊してしまったことが要因です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑