阪神に「ポスト岡田」問題…有力候補の鳥谷敬・藤川球児両氏が消極的、問われるフロントの本気度

公開日: 更新日:

 1985年以来、38年ぶり2度目の日本一を達成した阪神。岡田彰布監督(65)の手腕のたまものだが、来季以降に向けて懸案事項があるという。

【写真】この記事の関連写真を見る(44枚)

 岡田監督は2度目となる就任時からたびたび「今回は野球人生の集大成」と言っている。長年、優勝と日本一から遠ざかっていたチームを勝たせることはできたが、もう一つの重要な任務がある。

 在阪の野球評論家は、「来季が2年契約の最終年となる自身の後継者を育てることです」とこう続ける。

「『ポスト岡田』の理想は2003年、05年のVメンバー。現首脳陣には今岡打撃コーチ、藤本内野守備走塁コーチといった優勝メンバーもいる。岡田は何人かの候補を考えてはいるものの、まだこれとは決められる段階ではない。そもそも阪神の監督は重圧がハンパない。勝てば大監督として持ち上げられる一方で、負ければボロクソに叩かれる。これに耐えうる精神力も必要。まして、岡田監督は17年間勝てなかったチームをわずか1年で優勝に導いた。日本シリーズでも6月以降、一軍登板がなかった湯浅を抜擢し、ピタリとハマった。これには観客も大いに沸くなどファン心理も分かっている。卓越した手腕を持つ岡田監督の後を引き継ぐ監督は、相当なプレッシャーがかかる。候補者の多くはユニホームを着ていないですし、後継者探しは難航を極めそうです」

■「ポスト岡田」有力候補の反応

 そんな中、かねて「ポスト岡田」の有力候補に挙がっているのが岡田監督の母校・早大の後輩で、通算2000安打を達成した生え抜きスターの鳥谷敬氏(42)だ。

 実際、岡田監督は昨年の就任直後に入閣を要請しているが、鳥谷氏はこれを固辞した。

「このオフもコーチ就任はないでしょう」とは、在阪放送関係者。
藤川球児
「鳥谷さんは先日、テレビ番組に出演した際、仮に岡田監督からコーチ就任を打診されても、『すいません、無理ですと言います。だって単純に1年のうち300日は拘束されるんですよ。イヤです』とキッパリ言い切った。これがホンネです。今は解説やタレント業をこなしながら、家族優先の生活をしたいと考えています」

 もうひとりの有力候補である「火の玉ストッパー」こと氏(43)を巡っても、来季入閣の話は聞こえてこない。現在は球団本部付スペシャルアシスタントとしてフロントの仕事をしながら、評論活動を行っている。今夏には渡米して助っ人の獲得調査に携わった。

「フロントは藤川を将来の監督候補として高く評価している。しかし、鳥谷さんと同様、藤川さんも今は現場復帰する気がない。『ポスト岡田』争いの先頭を走るはずの2人に限らず、来季は優勝メンバーがコーチとして現場復帰する可能性は低い」(同)

 優勝メンバーではないが、現役通算60勝をマークし、球団のコミュニティーアンバサダーを務めるOBの岩田稔氏がコーチ就任要請を断ったとの報道もある。

「球団内では、昨季限りで現役を引退した糸井嘉男氏を招聘すべきとの声もある」とは、前出の評論家だ。

「糸井は日本ハム、オリックスを経て17年から6年間、縦ジマのユニホームを着た。引退後は球団のスペシャルアンバサダーに就任。後輩の面倒見もよく、今も時折、母校・近大の後輩である佐藤輝ら選手を食事に誘い、助言を送ったり激励したりしている。選手目線で一緒に汗をかける指導者になるともっぱらです。ただ、フロントとしては、金本知憲、矢野燿大と2代続けて優勝メンバーが監督を務めた流れを絶やさず、鳥谷や藤川あたりに引き継いでもらいたいのですが、後継者問題は長期化しそうです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  2. 7

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  3. 8

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  4. 9

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  5. 10

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」