「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

記録にこだわり続けたイチロー（Ｃ）共同通信社

　大谷翔平（29）とイチロー（50）はともにエンゼルスとマリナーズという弱小チームの中で卓越した存在だった。大谷は「二刀流」、イチローは「安打製造機」として、米球界に新風を巻き起こし、殿堂入りが確実視されるなど、これまでの軌跡はソックリである。

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　イチローはマリナーズ時代、外野から本塁への返球を捕手がお手玉して逆転を許すと、あからさまに「やってられない」という表情を浮かべ、「見た通りですね。（捕手の力は）あんなもんでしょう」と言い放ったこともある。首脳陣から再三四球を増やすように言われながら、打てる球はボール球でも打ちにいくスタンスを変えなかったこともあるのかもしれない。チーム内からは「ヒットを打つことしか考えていないやつがいる」「ぶん殴ってやりたい」との声も上がった。

　大谷は原則、毎日指名打者（DH）で出場しながら、中5日のローテーションを守ることにこだわった。首脳陣が休養させようとしても、「100％出られる」と耳を貸さなかった。DHと先発、丸々2人分の仕事をひとりでこなしていたわけで、大谷がいるがゆえに仕事をしたくてもできない選手がいたのは事実だ。それでも表立って波紋が生じなかったのは、投打とも大谷の力が突出していたからだし、ナインと和気あいあいとやれる性格も無関係ではないだろう。