ドラ1候補「病み上がり」大学生右腕2人 掛け値なしのスカウト評価
「ちょっとコワゴワ投げている感じですね……」
さるパ球団スカウトがこう言って心配したのが、今秋ドラフト1位候補の高須大雅(明大=右投げ右打ち)だ。
192センチ、94キロの長身から繰り出される最速153キロの直球が最大の武器。静岡高3年時に夏の甲子園に出場したが、1回戦で新田(愛媛)に敗れた。明大進学後、3年春のリーグ戦で3勝(1敗)、リーグ1位の防御率1.38をマークして一躍、ドラフト1位候補に浮上した。
しかし、昨秋のリーグ戦で右肘に違和感を訴え、その後はリハビリに専念。ドラフトイヤーとなる今季はまず、ケガからの復活をアピールする必要がある。復帰初戦となった4月20日の東大戦は5回8奪三振で勝利投手になったものの、翌週の慶大戦は4回3失点で降板した。冒頭のパ球団スカウトが続ける。
「ボールが速いうえに、カラダが大きくて角度があるので打者からすると打ちづらい。昨年は1位の12人で消えるくらいのエンジンの大きさ、力強さを見せていましたが、今はまだ昨年と比べて腕の振りが緩んでしまっている。肘のことが気になっているのでしょう」
ネット裏でチェックした中日の八木スカウトもこう指摘した。
「もともとダイナミックなフォームでボールに角度があり、フォークが落ちるというのが彼の良さ。肘への不安からフォームをショートアームに変えたと思いますが、まだリリースのタイミングが完璧ではない。フォームを少し変えるだけでも感覚は変わるもの。持っているものに関しては、どの球団のスカウトも評価していると思いますので、春のリーグ戦を経て、今後、その感覚の変化にどう対応していくかがポイントになるでしょう」