巨人今秋のドラフト戦略は左腕・井上温大の働き次第…狙うは即戦力和製大砲か、将来の候補か

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 巨人の左腕がまたまた安定した投球を見せた。

 昨22日の中日戦に井上温大(23)が先発。チームは20日のヤクルト戦で延長戦の末にサヨナラ負けを喫した。嫌な雰囲気を断ち切るべくマウンドに上がると、初回からエンジン全開。8回107球を投げ、5者連続を含む14奪三振1失点の好投で2勝目(1敗)を挙げた。

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 井上はこれまで3連勝中の山崎伊織らとともにチームを牽引。開幕からカード初戦となる火曜日の先発を任され、4戦全てクオリティースタート(6回以上自責点3以内)。防御率1.61の安定感を誇っている。

 阿部監督にとっては頼もしい限りだが、今秋の巨人のドラフト戦略も今季のこの井上と関わってくるという。

 さる巨人OBが言う。

「1位候補は4番の岡本が今オフにもポスティングによるメジャー移籍の可能性があるため、後継者になり得る即戦力の右の和製大砲が欲しい。あるいは昨季15勝の菅野が抜けた穴を埋めてくれる将来のエース候補。特に先発の左投手が不足しているため、できれば左腕がいい。昨年のドラフトでも、当初は球団内に青学大の右のスラッガー・西川(ロッテ1位)を推す声があったが、阿部監督の『左投手が欲しい』という要望を受け、アマチュアナンバーワン左腕の金丸(中日)を指名した。結局、4球団競合の末にクジを外したが、その後、外れ1位で花咲徳栄の右の強打者で遊撃手の石塚を指名。上位で即戦力左腕は指名しなかった」

 つまり、将来性のある高校生の右打者を1位で指名したものの、左投手は今も不安のまま。案の定、左腕エースとして期待された巨人3年目のグリフィンは体調不良とコンディション不良のため、相次いで登板を回避。まだ1試合も登板していない。現在の先発ローテの中で左腕は井上ただ一人。さらに「今年のドラフト市場には、1位候補になりそうなめぼしい左投手がいない」(在京球団スカウト)という。昨年同様、阿部監督に「1位で左腕が欲しい」と言われても困る事情がある。

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