著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグで活躍するうえで球団事情は本人の能力以上に無視できない…昇格にも少なからぬ賭けを伴う

公開日: 更新日:

 大谷翔平ドジャース)が本塁打数、鈴木誠也(カブス)が打点で大リーグ首位、千賀滉大(メッツ)が防御率でナショナル・リーグ第1位と、各球団が60試合前後を終えた段階で、日本人選手が投打の主要部門の上位を占めている(日本時間6月1日現在)。

 この成績だけで今季は日本人選手が投打で大活躍しているとするのは速断に過ぎるということに議論の余地はない。

 それでも、昨年までは大谷のみに注目が集まっていたにもかかわらず、今年はレギュラーシーズンの約4割が過ぎても複数の選手がすぐれた成績を収めていることに変わりはない。

 従って、「マッシー村上の大リーグ登場から61年、野茂英雄のドジャース入りから30年、ようやく日本人大リーグ選手の層も厚くなったか」と思うとしてもあながち間違いとはならないだろう。

 だが、大リーグ1年目となる佐々木朗希(ドジャース)が8試合に先発した後に負傷者リスト入りしたのは記憶に新しいところだ。

 あるいは、渡米1年目となる2023年に大リーグで64試合に登板したものの、24年以降はマイナーリーグが活動の場となっている藤浪晋太郎、さらにはタイガースからカブス傘下の3A級アイオワに移って再起を期しつつ、3試合に登板して防御率24.30と大リーグへの復帰の道が限りなく遠のいている前田健太ら、期待された活躍ができなかったり、日々の報道の対象から外れたりする選手も存在するのが現実である。

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