パワーリフティング日本王者・小林和沙さんを直撃! “2児の母”が経験した挫折と新たな挑戦

公開日: 更新日:

遠征費用の捻出にクラウドファンディングを立ち上げ

 ──その雪辱のため来年のモンゴルで開催されるアジア大会を目指しているとか?

「大会の結果を真摯に受け止めて誓ったのが、『逃したアジア記録をものにしてやるぞ』という決意。実は、今年の12月にトルコ・イスタンブールで次のアジア大会が開催されるのですが資金面で断念せざるを得ませんでした。7月のアジア大会後も次の週に愛媛・伊予市で開催された日本大会に参加したりと遠征費用がかさんでしまった。小学生と幼稚園児の子供がいますので教育費もかかりますし、費用の捻出は悩ましいところです」

 ──その費用の一部にクラウドファンディングを実施しています。

「以前からクラウドファンディングは考えていたのですが、まだまだ知名度は高くなく、果たして資金が集まるのかとの不安がありました。でも、アジア大会後のあるきっかけで実施の決意が固まりました。私のインスタのフォロワーさんで大会でもよく顔を合わす友人がいるのですが、その子が私の三振姿を見て真っ先に泣いてくれたんです。私よりも先に……。他にもたくさんの激励コメントをいただき、これは再挑戦をしないと申し訳ないと。クラウドファンディングが決まってからは、友人が次々と出資をしてくれたり、SNSで拡散してくれたりと、ほんと心強い応援をもらっています。クラウドファンディングでの費用捻出がメジャーになって、私と同じ子育て世代や学生チャンピオンの卵たちが競技だけに集中してトレーニングできる環境の礎になればいいとの思いもあります」

 ──マイナー競技の選手に共通の悩みですね。クラウドファンディングは「READYFOR(レディーフォー)」で行われていますね?

「プロジェクトへのアクセスは『レディーフォー』のホームページから“小林和沙”で検索してもらえば、〈パワーリフティング女子 アジア大会での雪辱を果たさせてください!〉の画面が出てきます。目標額は20万円。ささやかですが、返礼品としてアクリルスタンドやポストカードをお送りしています。募集期間は9月26日までですが、まだ少し足らないのでぜひご支援を。みなさんのお力で私をモンゴルに連れてってください(笑)」

  ◇  ◇  ◇

▽小林和沙(こばやし・かずさ) 1983年生まれ。2023年5月にパワーリフティングデビュー。全日本パワーリフティング選手権大会マスターズクラシック部門優勝。全種目東京都記録保持。デッドリフト全国記録保持153.5kg。2025年開催のアジアンパシフィックアフリカ大会出場権獲得。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大はヤンキースに未練タラタラ…「一途な200勝男」は復帰願望を周囲にこぼしていた

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 4

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 5

    高市早苗氏は頼みの党員・党友支持に急ブレーキで決戦シナリオ破綻…陣営が迫られる「地獄の選択」

  1. 6

    不世出のストライカー釜本邦茂さんが草葉の陰から鹿島18歳FWの「代表入り」をアドバイス

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  3. 8

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 9

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇