西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

公開日: 更新日:

問題視されてきた素行

 マスコミ関係者は「これだけの高値で選手を“売れる”のは今年が最後になるかもしれませんからね」と、こう続ける。

「MLB選手会とオーナー側が交わした現在の労使協定が、来年12月1日で失効する。ポスティング制度はこれまで何度もルール改正を繰り返しており、年明けには労使交渉が行われる。その結果次第では現行の譲渡金の規定に影響が及ぶかもしれない。場合によっては減額になる可能性もゼロではない。西武とすれば、『どうせ認めるなら高値がつく今オフのうちに』という計算はあるでしょう」

 今井自身の素行を指摘する声もある。球団OBがこう言う。

「今井は調子がいい時は初回からガンガン飛ばし、好守を見せた野手を称えるなどエースの振る舞いを見せても、不調の時は人が変わったようにマウンド上でイライラを募らせ、露骨にふてくされた態度を取る。9月18日のオリックス戦ではピンチの場面で豊田投手コーチが水を持ってマウンドに向かおうとすると、今井は『来るな』とばかりに手で追い払い、ロジンをマウンドに叩きつけた。球団内では『アイツは二重人格じゃないか』と言われており、若手に悪影響を与えかねない。バックを守る野手もエースらしからぬ立ち居振る舞いに辟易していると聞きました」

 今季は早い段階から高橋のメジャー移籍が確実視されていた。西口文也監督の下で来季のAクラス入りを目指す中、先発ローテ投手が2人も抜ければ、大幅な戦力ダウンを強いられる。そんなチーム事情は「知ったこっちゃない」と言わんばかりにメジャー挑戦を求める今井に、眉をひそめる関係者もいるという。

「今季はシーズン中から方々で『絶対に球団にポスティングを認めさせる』と息巻いていた。球団としては来季、今井を残留させたとしても、いらぬ火種を生みかねないと判断したのではないか」(前出のOB)

 西武が高橋のみならずエースまで放出するのは、それなりの理由がある、というわけだ。

  ◇  ◇  ◇

 そんな今井は、今季中に行った日刊ゲンダイの取材の中でも、メジャー志向の本音がダダ洩れていた。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み