圧倒的実戦不足のアメリカvs“場慣れ”でイケイケのオーストラリアが激突!【日本時間20日朝4時キックオフ】

公開日: 更新日:

アメリカ

 日本時間20日午前4時、D組で開催国の米国とオーストラリアが対戦する。予選を経験していない不安を抱えながら、地元の大声援を背に上位進出を狙う米国と、W杯6大会連続出場の経験値を武器とする豪州は、どのような戦いを見せるのか。両国の特徴とキーマンを紹介する。

  ◇  ◇  ◇

 開催国の利を最も受けそうで、実は不透明なのが米国だ。最大の弱点はタレントの質ではなく、「本番仕様の空気」に慣れ切れていない点にある。

 今回は開催国枠で本大会に臨むため、過酷な予選を経ていない。主将タイラー・アダムズが「何年も前から出場が決まっていて親善試合を重ねる状況は独特だ」と言えば、ポチェッティーノ監督も2025年ゴールドカップ決勝を「本番前に本当の重圧を味わえる最後の機会かもしれない」と位置づけていた。

 その不安は終盤のテストマッチで改めて浮き彫りとなった。26年3月のベルギー戦は2-5、ポルトガル戦は0-2で連敗。これで欧州勢相手に8連敗。格上との試合になると守備の間延びと試合運びの粗さが露呈する構図は、まったく解消されていない。

 コンディション面の不安も追い打ちをかける。攻撃の要であるFWクリスティアン・プリシッチ、FWティモシー・ウェアらも決して本調子とは言い難い。

 それでも、ポチェッティーノ監督は選手に「優勝を本気で夢見ろ」と促し、プリシッチもホームの後押しに大きな期待を寄せている。D組の相手を見渡しても、圧倒的な強国はいない。開催国の熱狂を、どこまで力に変えられるか。

・過去最高 3位
・前回大会 16強
・予選成績 開催国

■キーマン:タイラー・アダムズ

 タイラー・アダムズは、米国の守備強度を支える要だ。22年最終予選では14試合中13試合に出場し、7試合で主将を務め、本大会でも全試合フル出場。攻守のバランスを取り、球際の強度を担保する存在だった。

 ただ、23年以降はハムストリング、背中、左膝と故障が続き、コンディションへの不安は拭えない。カルドーソの離脱もあり、中盤の守備強度を維持するうえで、アダムズにかかる負担はさらに重くなる。米国が開催国として重圧を力に変えられるかは、この主将の稼働率と出来に大きく左右される。

オーストラリア

 前回大会は決勝トーナメント1回戦で、後に優勝するアルゼンチンに1-2と善戦。強豪相手に存在感を示したが、その後の道のりは平坦ではなかった。アジア2次予選こそ6戦全勝、22得点無失点で突破したものの、3次予選では初戦でバーレーンに0-1で敗れ、続くインドネシア戦もスコアレスドロー。わずか2試合でグラハム・アーノルド監督が退任する緊急事態に陥った。

 急きょ後を任されたのが、現役時代に豪州代表DFとして活躍し、サンフレッチェ広島にも在籍したトニー・ポポビッチ監督だ。ウェスタン・シドニーを率いて2014年のACLを制した実績を持つ指揮官は、沈みかけたチームをすぐに立て直した。日本戦のドローを含めて無敗を維持すると最終節では敵地でサウジアラビアを2-1で下し、W杯切符をつかんだ。

 突出したスター軍団ではない。だが、守護神マシュー・ライアン、長身DFハリー・サウター、主将ジャクソン・アーバインら経験者が要所を締めている。

 W杯連続出場「6」はグループトップ。大会独特の雰囲気を知り尽くした“場慣れ”という無形の武器は、短期決戦でこそ効いてくる。押し込まれても慌てず、劣勢でも勝ち点を拾う術を持つ。ポポビッチ体制で上昇気流に乗った豪州は、1次リーグ突破を十分に狙えるチームと言えるだろう。

・過去最高 16強
・前回大会 16強
・予選成績 アジア3次予選C組2位 11勝1敗4分

■キーマン:マシュー・ライアン

 マシュー・ライアンは、国際Aマッチ出場数100試合超を誇る豪州の守護神だ。反応の鋭さだけでなく、最終ラインへの指示、クロス対応、時間帯に応じた試合運びまで含め、チーム全体を落ち着かせる役割を担う。豪州が1次リーグを突破するには、派手に勝ち切るより、まずは失点を最小限に抑え、接戦を拾うことが不可欠になる。相手にボールを握られる展開が増える中で、不用意に崩れず、苦しい時間をしのげるか。豪州の命運は、この守護神の踏ん張りにかかっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風