「ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた」磯前順一著
■結成から解散までの軌跡
1960年代後半に日本中を熱狂させたザ・タイガースが、この12月、44年ぶりに再結成する。本書は、GS(グループ・サウンズ)ブームの先頭を走り続けたその結成から昭和46(1971)年1月の解散にいたるまでの5年の軌跡をたどりながら彼らの思いや苦悩に迫る音楽ノンフィクション。
京都で遊び仲間だった岸部ら4人がバンドを結成。そこに沢田が加わり前身のバンド、ファニーズが生まれる。ジャズ喫茶に出演していた彼らが上京する経緯から、デビュー当時からあったメンバーの亀裂、人気絶頂だった69年の加橋の脱退の背景など。彼らの表の活躍とその舞台裏を多くの資料や当事者たちの証言で克明に描き出す。
(集英社 780円)