「これっていいね 雑貨主義」谷川晃一著、川田奎也写真
■生きる喜びをもたらす雑貨たち
画家の著者が、長年にわたって集め、身近に置き、楽しんできた雑貨コレクションを紹介しながら、その魅力を語るビジュアルブック。
そもそも雑貨とは何か。頭では分かっているつもりでも、言葉にするのは難しい。氏のコレクションをのぞいてみても、コーヒーチェーン店のコーヒーカップや腕時計の「スウォッチ」などの定番コレクションアイテムから、フランス製キャンディーの空き缶や、キッチンで現役使用中の水切りざるや調味料入れ、動物の置物など旅先で見つけたオブジェ類、そしてトランプやマッチのラベルまで多岐にわたり、ますます分からなくなってくる。
氏によると、「雑貨はひそやかに存在するもの」で、かつて大量生産されたものでも、「いつの間にか珍しいものや懐かしいものになったもの、時の流れに風化したものなどが雑貨」なのだという。
だから、評価は関係なく、「他人から見てつまらないものでも、廃品のようなものでも、道端の小石でも」雑貨たり得るのだそうだ。実際に、氏のコレクションの中には、自らがドローイングを施した石ころなども加えられている。