「これっていいね 雑貨主義」谷川晃一著、川田奎也写真
女性たちの集めることへの関心や飾ることへの趣向、作ることへの喜びによって支えられる雑貨ブームは、1960年代末ころからフェミニズムの浸透とともに次第に形成されてきた。一方で、ヒッピー文化の台頭とともに外国雑貨ともいうべきフォークアート(民族芸術)への関心がブームのもうひとつの発端になったという。
そうした潮流をくむインドネシアのスンバ島のイカット(かすり)など、各国の美しい布のコレクションにも目を奪われる。雑貨は「なくても困らないが、あれば生きる喜びにも通じる豊かさの源泉」という氏が暮らす家は、まるで全体が雑貨のギャラリーのようだ。
(平凡社 1600円)