「弱さの思想」高橋源一郎、辻信一著

公開日: 更新日:

■「弱さ」を必要としている現代社会

 社会的「弱者」の持つ「弱さ」の中に新しい社会の可能性を探ろうと、一緒に「弱さの研究」を重ねる2人が、その成果を語り合った対談集。

 高橋氏は、病気の後遺症で軽い障害が残った息子の看護体験と、病気の子供を抱える母親たちとの会話から、「弱くてなんの力もない、面倒をかけるだけの存在の人たち」が周囲に力を与えていることを知り、「弱さ」というものには何か秘密があるのではないかと思ったという。3・11を機に訪ねた原発反対運動の地「祝島」や、イギリスの子供のホスピスなど、各地で行ったフィールドワークを報告しながら、弱さとは何か、そして現代社会がなぜ弱さを必要としているかを解き明かす。
(大月書店 1600円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」