「絶望の裁判所」瀬木比呂志著

公開日:  更新日:

■裁判員制度は陪審制度に移行すべし

 東京地裁の裁判官を経て最高裁にも調査官として勤務した著者。裁判所という組織が、いかに徹底した上意下達・中央集権的体質を貫いているかを批判的に紹介する。

 たとえば法務省が秘密裏に裁判所の判断を事前に問い合わせることなどは日常茶飯。また最高裁では、国家賠償請求事件にたずさわった裁判官の氏名と判決内容を一覧にした極秘資料を作成し、人事の参考に供するなども行っている可能性が高い。書きっぷりがあくまで法律家らしい慎重で持って回った言い回しなので、素人には一見わかりづらいのだが、よく読むと驚くような行政との癒着やなれ合いが横行しているのがわかるのだ。

 裁判員制度の導入は市民の直接参加で話題になったが、実はこの導入の陰には裁判所内の「刑事系」と「民事系」の対立があるらしい。近年弱体化が目立っていた「刑事系」が、裁判員制度の推進を機に息を吹き返し、最高裁長官をはじめ司法行政の重要ポストに刑事系が一気に返り咲いたという。著者は裁判員制度は、刑事裁判制度の改善という本来の目的のために陪審制度に移行すべきと主張している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安藤サクラに朝ドラ奪われ…満島ひかり“超ワガママ”の裏側

  2. 2

    FA丸は残留が本音か “契約年数”上積みなら広島に勝機あり

  3. 3

    実はボンボン 桜田大臣“大工あがりの叩き上げ”は経歴詐称

  4. 4

    交渉前に「お断り」…FA浅村に蹴飛ばされたオリの自業自得

  5. 5

    キムタクと2ショット解禁 コウキ操る静香のシタタカ戦略

  6. 6

    ロッテに対抗し青天井 巨人がFA丸に5年35億~40億円の狂気

  7. 7

    原巨人ため息…“陰のMVP”天敵フランスアは広島であと5年

  8. 8

    6億円&原監督のメッセージ…巨人「FA炭谷取り」真の狙い

  9. 9

    FA浅村の楽天入り決定 ソフトBは“赤っ恥”で来季へ遺恨残す

  10. 10

    “PC打てない”桜田大臣 ツイッターで大島優子フォローの謎

もっと見る