「絶望の裁判所」瀬木比呂志著

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■裁判員制度は陪審制度に移行すべし

 東京地裁の裁判官を経て最高裁にも調査官として勤務した著者。裁判所という組織が、いかに徹底した上意下達・中央集権的体質を貫いているかを批判的に紹介する。

 たとえば法務省が秘密裏に裁判所の判断を事前に問い合わせることなどは日常茶飯。また最高裁では、国家賠償請求事件にたずさわった裁判官の氏名と判決内容を一覧にした極秘資料を作成し、人事の参考に供するなども行っている可能性が高い。書きっぷりがあくまで法律家らしい慎重で持って回った言い回しなので、素人には一見わかりづらいのだが、よく読むと驚くような行政との癒着やなれ合いが横行しているのがわかるのだ。

 裁判員制度の導入は市民の直接参加で話題になったが、実はこの導入の陰には裁判所内の「刑事系」と「民事系」の対立があるらしい。近年弱体化が目立っていた「刑事系」が、裁判員制度の推進を機に息を吹き返し、最高裁長官をはじめ司法行政の重要ポストに刑事系が一気に返り咲いたという。著者は裁判員制度は、刑事裁判制度の改善という本来の目的のために陪審制度に移行すべきと主張している。

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