「歴史に学ぶな」鈴木邦男著

公開日: 更新日:

■「歴史に学ぶ」ことの危うさ

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という名言に異を唱え、歴史や史実を建前に思考停止に陥ることの危険さを説いたエッセー。

 織田信長や坂本龍馬、土方歳三など、現代人に愛される偉人たちは、司馬遼太郎の小説などがつくり上げたイメージに共感をしているだけで、その実像とはかけ離れ、多くの人は、歴史に学ぶと言いながら実は虚構に学んでいると指摘。右翼活動に人生をかけていた自らの体験を語りながら、歴史に学ぶという大義名分を振りかざし、戦争や暴力を肯定する歴史観を抱くことの危険性や、真の愛国者とはどういうことかなどを説く。時代の風潮を危惧した警世の書。
(dZERO 1500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…