「蟻の菜園」柚月裕子著

公開日: 更新日:

 連続不審死事件の容疑者として名前が浮上した美貌の結婚詐欺師・円藤冬香。複数の男性と親しく交際し、多額の金を振り込ませた形跡があったため、結婚詐欺の末に殺害した疑いをかけられたが、冬香には完璧なアリバイがあった。

 そんな冬香に興味を持ったのが、フリーライターの今林由美。異性に不自由しそうにない美貌を持つ、いくらでも幸福を掴めそうな女が、なぜ結婚詐欺に手を染めたのか。彼女の生い立ちを追ううち、思ってもみなかった冬香の不幸な子供時代が見えてくる。冬香の隠された過去と事件の真相を結ぶ接点は、果たして見つかるのか…。

 第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し「臨床真理」でデビューした著者の最新作。不可解な事件を追いかける主人公のフリーライターが、容疑者に関する断片的な証言を少しずつ集めて、事件の真相に近づいていく。社会の中で追い詰められ、犯罪者へと変貌していく容疑者の人生が悲しい。

(宝島社 1620円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「左膝の半月板が割れ…」横綱・豊昇龍にまさかのアクシデントで稽古中止

  2. 2

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  3. 3

    「ラブホ密会」問題も何のその!小川晶前市長の超“人たらし”戦略 12日投開票の前橋市長選情勢

  4. 4

    アストロズ今井達也の西武への譲渡金ついに判明! NPB広報室から驚きの回答が

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 7

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 8

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  4. 9

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  5. 10

    オリックスへのトレードは中日が年俸の半分を肩代わりしてくれて実現した