「K体掌説」九星鳴著

公開日: 更新日:

「Kは小噺のK、Kは簡潔のK、Kは奇態のK、つまりはKなる体の掌編。これ即ち“K体掌説”なり」という書き出しから始まる、不思議な掌編集。詩のようでもあり、ショートショートのようでもあり、散文のようでもあり、SFのようでもある、短くも切れのいい言葉がずらりと並び、読み手の想像力を刺激してくる。

 収録されているのは、新しい創作文字を紹介した「新体字」、汚いということをつきつめて考察する「汚物論」、締め切り前の原稿書きを月に手伝ってもらった話「月弟子」、世にも不思議な入試問題を並べた「はなはだ奇態なる八つの入試問題」、透明人間になろうとした男の受難を描いた「透明人間受難歴」など全68作品。

 無名新人のデビュー作という形をとっているが、実は著者の九星鳴とは陰陽師シリーズでおなじみの夢枕獏の別ペンネームだ。長編小説では決して表現できない著者の発想や着想の原点が、短い言葉の端々からにじみ出てくる。

(文藝春秋 1450円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  3. 3

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  4. 4

    佐々木朗希は一軍復帰1試合でまた抹消…どれだけ脆弱でもドジャースが欲しがったワケ

  5. 5

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー

  1. 6

    “令和の武器商人”こと小泉進次郎防衛相の「核ありき発言」に自民国防族もカンカン

  2. 7

    ついに1ドル=163円突入で「円安倒産」ラッシュ深刻懸念…すでに前年同期から3割増

  3. 8

    中森明菜のタモリ評「心の底からホッとします」は国民の総意か? サングラス姿と性格的な3要素

  4. 9

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 10

    震災で家族を心配する選手たちに星野監督が怒号「おまえらは野球だけしとりゃあええんじゃ!」