「過剰診断」H・ギルバート・ウェルチ他著、北澤京子訳

公開日: 更新日:

 病気に打ち勝つためには早期診断による治療が大切。しかし、進化した検査方法が見つける“異常”は、もしかしたら永久に病気にはならない程度のものかもしれない。そして、“なるかもしれない”可能性にかけて治療を行うことで、思わぬ弊害が表れることもある。

 本書では、医療先進国であるアメリカの医師が、豊富なエピソードとともに早期診断に伴うリスクを警告している。例えば、前立腺がん健康管理のためにと毎年検査を受けていたある医師は、その年PSA(前立腺特異抗原)がごくわずかに上昇したことを受け、積極的治療として手術を選択。しかしこれがきっかけで、インポテンスになってしまった。

“病気の疑い”にどう対処すべきか考えさせられる気になる本だ。

(筑摩書房 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!