「過剰診断」H・ギルバート・ウェルチ他著、北澤京子訳

公開日: 更新日:

 病気に打ち勝つためには早期診断による治療が大切。しかし、進化した検査方法が見つける“異常”は、もしかしたら永久に病気にはならない程度のものかもしれない。そして、“なるかもしれない”可能性にかけて治療を行うことで、思わぬ弊害が表れることもある。

 本書では、医療先進国であるアメリカの医師が、豊富なエピソードとともに早期診断に伴うリスクを警告している。例えば、前立腺がん健康管理のためにと毎年検査を受けていたある医師は、その年PSA(前立腺特異抗原)がごくわずかに上昇したことを受け、積極的治療として手術を選択。しかしこれがきっかけで、インポテンスになってしまった。

“病気の疑い”にどう対処すべきか考えさせられる気になる本だ。

(筑摩書房 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去