「河童のお弟子」泉鏡花ほか著、東雅夫編

公開日: 更新日:

 ある精神科病院に入院中の患者・第23号が誰彼かまわずしゃべるところによると、彼は3年前の夏、穂高山へ登る途中、深い霧に立ち往生。仕方なく梓川の河原で食事をしようと準備をしていたが、振り返ると、その作業をのぞき込んでいた河童がいたという。河童を夢中で追いかけた彼は、穴に落ち、気が付くと大勢の河童に囲まれていた。チャックという河童の医師に診察を受け、世話になった彼は、この国の法律で定める「特別保護住民」として彼らと生活を共にすることになった。(芥川龍之介著「河童」)

 同時代を生きた「おばけずき」3人、泉鏡花・芥川龍之介・柳田國男の河童にまつわる作品を集めた異色作品集。(筑摩書房 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理