「寂しさの力」中森明夫著

公開日: 更新日:

 人間のもっとも強い力は「さみしさの力」だと著者はいう。

 人間の本質はさみしさであって、そこに根源的なパワーが宿っているはずだと。そんな「さみしさの力」について考察したエッセー。

 50歳が近づき、突然さみしさに襲われたという氏は、そのさみしさの根幹に三十数年も前の父親の死があると気づく。決して理想的な関係ではなかった父との思い出を振り返りながら、父が死後に教えてくれたのは「悲しさは一瞬、さみしさは永遠」ということだったとつづる。

 そのほか、スティーブ・ジョブズら世界を変えた男たちや、アイドルたちの孤独など、多くのエピソードを交え、人生の原動力について新たな切り口で語る。

(新潮社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」