「寂しさの力」中森明夫著
人間のもっとも強い力は「さみしさの力」だと著者はいう。
人間の本質はさみしさであって、そこに根源的なパワーが宿っているはずだと。そんな「さみしさの力」について考察したエッセー。
50歳が近づき、突然さみしさに襲われたという氏は、そのさみしさの根幹に三十数年も前の父親の死があると気づく。決して理想的な関係ではなかった父との思い出を振り返りながら、父が死後に教えてくれたのは「悲しさは一瞬、さみしさは永遠」ということだったとつづる。
そのほか、スティーブ・ジョブズら世界を変えた男たちや、アイドルたちの孤独など、多くのエピソードを交え、人生の原動力について新たな切り口で語る。
(新潮社 700円+税)