「閉店屋五郎」原宏一著

公開日: 更新日:

 閉店した店や事務所の機器を買い取り、転売する中古屋の五郎は、周囲から閉店屋と呼ばれている。ある夜、見積もり依頼があった定食屋を訪ねた五郎は、依頼主の藤崎に会う前に看板娘の由佳に追い返されてしまう。

 翌日、五郎を訪ねてきた由佳は、父親がいつでも店を再開できるように引き取った品を一時預かりにして欲しいと言い出す。聞くと、藤崎は5年間通い続けてきた常連客がある日を境に姿を見せなくなり、店を続ける気力を失ったらしい。由佳の留守に再び店を訪ねた五郎は、藤崎から閉店を決意した経緯を聞く。そして、父娘の板挟みになった五郎は、その常連客・孝子を捜すことに。(表題作)

 情に流されトラブルに巻き込まれる五郎を主人公にした連作人情小説集。
(文藝春秋 1550円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝