「殿さま狸」簑輪諒著

公開日: 更新日:

 天正9(1581)年秋、秀吉の親衛隊である黄母衣衆のひとり、家政は、偉大すぎる父・蜂須賀小六と秀吉に屈折した思いを抱き続けていた。半年後、秀吉の毛利攻めが続く中、前線から離れた播磨竜野城で城代を務めていた家政に明智光秀が主君の信長を討ち果たしたとの知らせが届く。父を超えるためにどう動くべきか必死に考え尽くした家政の出した結論は、この機を利用して秀吉を「天下の主へ押し上げる」というものだった。そのために父・小六を使って毛利と和議を結び、羽柴軍を上方へ大返し(総反転)させるべく、家政は家臣の稲田や法斎とともに動き出す。

「阿波の古狸」と呼ばれた家政の葛藤と成長を描く時代長編。

(学研パブリッシング 1350円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾