「たたかう植物」稲垣栄洋著

公開日: 更新日:

「弱肉強食」「適者生存」の自然界にあって、例外に見える植物たちも、実は激しい戦いを繰り広げているという。植物のそんな生き残り戦略に迫る面白テキスト。

 まずは植物同士のバトルを観戦。戦いの中でも、熾烈を極めるのは光を巡る競合だという。朝顔などのつる植物は、いち早く上へと伸び空間を占有するために茎を頑強にする分の成長エネルギーを伸長成長に使っているのだとか。戦いは地下でも起きている。植物は根からさまざまな化学物質を出し、周りの植物にダメージを与え撃退している。セイタカアワダチソウなどはその典型だそうだ。その他、昆虫や動物などの捕食者との戦いから病原菌との攻防まで。その驚くべき生き残り術に驚嘆。
(筑摩書房 760円+税)



【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態