読む人を物語世界に誘う長編小説特集

公開日: 更新日:

「世にも奇妙な君物語」朝井リョウ著

 ページをめくれば、そこは現実の世界から微妙にズレている不安定な世界だったりする。ほんとはすごい小心者なのに、活字を追っているうちにいつしか犯罪者の心理にどっぷりつかってしまうこともある。物語を満喫できる新刊長編小説をご紹介。

 フリーライターの浩子は、酔いつぶれた店から真須美という女に、彼女の家に連れて行かれて介抱された。どうやらそこはシェアハウスらしい。なぜか真須美は同居人に、道端に倒れていた浩子を助けたと説明する。そこに住む4人の男女はみな経済的にも精神的にも自立していて、シェアハウスに住む必要などなさそうに見えた。ちょうどシェアハウスの特集を企画していた浩子は、引っ越しする由可里の代わりに入居することに。だが、ニュースの画面に由可里が映ったことに気がつく。ここの住人は一体……。(「シェアハウさない」)

 他に、リア充裁判でコミュニケーション障害と指摘された姉をもつ女性など、奇妙な人びとを描く短編5編。(講談社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束