読む人を物語世界に誘う長編小説特集

公開日: 更新日:

「冬の光」篠田節子著

 四国遍路に行っていた父が、帰りのフェリーで自殺した。父は結婚後も、学生時代に同級生だった研究者・笹岡紘子と関係を続け、母との人間関係は崩壊していた。母と姉に責められて、紘子とは別れたはずだったが、死後に届いた紘子の勤務先の女子大からの通知で、父の裏切りが発覚した。紘子は東日本大震災で死亡していた。父が東北にボランティアに行っていたのは紘子のためだったのか。次女の碧は、父が遺したビジネスダイアリーのメモを見て父の遍路の旅をたどり、父が女連れだったことを知ってショックを受ける。だが、父は逆風に身をさらすような生き方をした紘子を愛し続けていたのだった。

 娘の目に映った父の不実と、父の真実との乖離が胸を打つ。(文藝春秋 1650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    引退した東山紀之に錦織一清演出で「少年隊」還暦コンサートのすすめ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    バナナマン日村が体調不良で休養するまでの“暴食・連食デイズ”と妻・神田愛花「お腹いっぱい食べさせる」の献身愛

  4. 4

    高市首相は筋金入りの嘘つき! 経歴詐称疑惑で米下院関係者が決定的証言「インターンだった」SNSで猛拡散

  5. 5

    高市早苗氏に経歴詐称疑惑…事務所が認めた!「議会立法調査官」は“造語”だった

  1. 6

    「2世タレント」がまた! 俳優の村上虹郎が交際女性への壮絶DVで書類送検…父親は村上淳、母親は歌手UA

  2. 7

    国民民主に公認取り消された娘が自死、母親も追うように…党内を震撼させた玉木代表の「長文釈明」

  3. 8

    バナナマン日村が突然の休養発表 超売れっ子がネタにしていた肥満体形…ロケ番組多数に心配の声やまず

  4. 9

    高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと

  5. 10

    NHK朝ドラ「カムカム」村上虹郎の未知数な魅力…“2世枠”飛び越えた存在感が話題