著者のコラム一覧
坂崎重盛編集者、エッセイスト

1942年、東京都生まれ。編集者、エッセイスト。千葉大学造園学科で造園学と風景計画を専攻。著書に、「東京煮込み横丁評判記」「『絵のある』岩波文庫への招待」「粋人粋筆探訪」など多数。BSジャパンの「酒とつまみと男と女」に出演し、不良隠居として人気に。

「トウガラシの世界史」山本紀夫著

公開日: 更新日:

 もちろん、文献的な研究も怠りなく、旺盛な好奇心に突き動かされるかのように、この“香辛料のキング”トウガラシの発見から、日本を含む世界各地への伝播、また栽培化や品種改良の歴史などが、興味深い図版を示しながら語られる。

 日本にトウガラシが伝来したのは16世紀後半から末というが、日本人はあの赤い実の姿に親しみを感じたようで、江戸時代の俳句に「赤蜻蛉 羽をもぎれば 蕃椒」があるという。おや、あのフォークの「あのねのね」の歌は、これをパクリましたか!

 個人的にはひとつの謎が解けた。時々寄る神楽坂のイタリアン「A」のメニューに「ンドゥイヤ」なる奇妙なシロモノがある。正体もわからずにやたらとピリピリ辛いので面白がって食べていたのだが、これが南イタリアの代表的なトウガラシ入り腸詰めだったのである!(中央公論新社 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも