著者のコラム一覧
坂崎重盛編集者、エッセイスト

1942年、東京都生まれ。編集者、エッセイスト。千葉大学造園学科で造園学と風景計画を専攻。著書に、「東京煮込み横丁評判記」「『絵のある』岩波文庫への招待」「粋人粋筆探訪」など多数。BSジャパンの「酒とつまみと男と女」に出演し、不良隠居として人気に。

「TOKYO 世界の絶品スイーツめぐり」メレンダ千春著

公開日: 更新日:

酒にスイーツは王道なのだ

 そこそこの酒飲みを自任する男に、甘いものの話をすると――「甘いもんなんか真っ平、酒がまずくなる!」と目を三角にしてのたまうご仁がいる。ぼくに言わせれば「そなたもまだお若いのう、修行が足らん」ということになる。

 たしかにビールを飲む前にイチゴ大福を食う気にはなれない。しかしチョコレートをつまみにスコッチを楽しむスタイルは昔からあるし、フレンチの食前、食後に貴腐ワインなどたしなむのは、むしろ王道だろう。

 というわけで昨今、スイーツに詳しい男はポイントが高いのである。「東京で食べられる異国のスイーツ50皿!」という帯コピーが目に留まり手にしたのが、この「世界の絶品スイーツめぐり」。

 ページを開いて、あらためて驚いた、というか感心してしまった。あったんですねぇ、東京には世界各国、各地のスイーツが。こんな国、世界にあるのかしら。

 ともかく見てみよう。おう、これはうまそうな餅菓子? 透明で艶やかな餅の上には小豆がのっている。韓国の「トック」という祝い菓子。新大久保にある「コラボ」で食べられるらしい。フィリピンの「ハロハロ」、これは食べたことがある。ハロハロとは、まぜこぜ、とのこと。日本のクリームあんみつっぽいが、ナタデココが入っている。六本木「ニューナナイズ」にあり。

 もちろん、ヨーロッパ菓子も。うわっ、なんだ、この、ふっくらした丸いドーナツは!? ポーランドの菓子「ポンチキ」。毎年ポーランド大使館で催されるポーランド祭では大人気とか。

 うまそうだなぁ、このガレット! すでにおなじみのフランスの焼き菓子。この本では世田谷区北沢の「ル・ポミエ」が紹介される。スイーツは写真を見ているだけで幸せな気持ちになる。諸兄もスイーツに開眼されてはいかが?(日経ナショナルジオグラフィック社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは