「公方様のお通り抜け」西山ガラシャ著

公開日: 更新日:

 尾張徳川家の戸山下屋敷に出入りする大百姓・外村甚平は、屋敷奉行の拝郷弾蔵から大きな仕事を頼まれた。公方様が鷹狩りの帰りに屋敷に立ち寄るので、公方様を楽しませる庭を造ってほしいという。

 公方様の苦手なものを尋ねると、口うるさい松平越中守と言われ、それなら派手で華美なものが好みだろうと考えた。庭には昔造った小田原宿を模した町屋などがある。それらを利用して、お化け屋敷や鬼の洞窟、高貴な人が通るときだけ水が引く滝などを思いつく。ところが、リハーサルは失敗ばかり……。はたして公方様を喜ばせることはできるのか。

 大名庭園にテーマパークを造った男の活躍を描く時代小説。(日本経済新聞出版社 1500円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした