「公方様のお通り抜け」西山ガラシャ著

公開日: 更新日:

 尾張徳川家の戸山下屋敷に出入りする大百姓・外村甚平は、屋敷奉行の拝郷弾蔵から大きな仕事を頼まれた。公方様が鷹狩りの帰りに屋敷に立ち寄るので、公方様を楽しませる庭を造ってほしいという。

 公方様の苦手なものを尋ねると、口うるさい松平越中守と言われ、それなら派手で華美なものが好みだろうと考えた。庭には昔造った小田原宿を模した町屋などがある。それらを利用して、お化け屋敷や鬼の洞窟、高貴な人が通るときだけ水が引く滝などを思いつく。ところが、リハーサルは失敗ばかり……。はたして公方様を喜ばせることはできるのか。

 大名庭園にテーマパークを造った男の活躍を描く時代小説。(日本経済新聞出版社 1500円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?