「『マイナンバー』が日本を壊す」斎藤貴男著

公開日: 更新日:

 運用が始まったマイナンバー制度の問題点を指摘した警世の書。

 マイナンバーは、そもそも「消えた年金」問題をきっかけに、「社会保障と税の共通番号制度」として導入の検討が始まったのだが、それがいつしか「国民総背番号制度」への展開を視野に、十分な審議もされぬまま法案が可決してしまった。政権はグローバルスタンダードだというが、多くの先進諸国では、導入する予定も、またやりかけた国々でも見直す方向に進んでいるという。なぜなら、なりすましの横行や個人情報の流出などの被害が懸念されるからだ。

 なぜ日本はこうまで強引に制度を導入したのか。その背景と導入の経緯を検証する一方、制度の導入による監視社会の到来に警鐘を鳴らす。(集英社インターナショナル 1100円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった