「『マイナンバー』が日本を壊す」斎藤貴男著

公開日: 更新日:

 運用が始まったマイナンバー制度の問題点を指摘した警世の書。

 マイナンバーは、そもそも「消えた年金」問題をきっかけに、「社会保障と税の共通番号制度」として導入の検討が始まったのだが、それがいつしか「国民総背番号制度」への展開を視野に、十分な審議もされぬまま法案が可決してしまった。政権はグローバルスタンダードだというが、多くの先進諸国では、導入する予定も、またやりかけた国々でも見直す方向に進んでいるという。なぜなら、なりすましの横行や個人情報の流出などの被害が懸念されるからだ。

 なぜ日本はこうまで強引に制度を導入したのか。その背景と導入の経緯を検証する一方、制度の導入による監視社会の到来に警鐘を鳴らす。(集英社インターナショナル 1100円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  2. 7

    参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

  3. 8

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表「日本人ファースト」どこへ? “小麦忌避”のはずが政治資金でイタリア料理三昧

  5. 10

    ドジャースに激震!大谷翔平の“尻拭い役”まさかの離脱…救援陣の大穴はどれだけ打っても埋まらず