「〈花〉の構造」石川九楊著

公開日: 更新日:

 万葉集から現代の流行歌まで、日本人は〈花〉に託して、四季の移ろいや男女の愛を歌ってきた。本書は、日本語の歴史とともに歩んできた〈花〉の本質と広がりを考察する日本文化論。

 多くの人が雑草がつける小さな〈花〉には目を向けないように、〈花〉を楽しむとは、文化的な現象だと著者は説く。また、なぜ〈花〉が女性を連想させ、女性の服や内装品に〈花〉柄が多いのか。それは〈花〉が植物の生殖器官だからだと、古今和歌集などの和歌を取り上げながら、〈花〉と性愛や恋愛の関係を考察。

 中国から輸入され、漢字語からひらがな語へと転換することによって独自の文化へと昇華し、男女の交わりの象徴となった〈花〉(はな・ハナ)で日本を読み解く。(ミネルヴァ書房 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る