「恋するハンバーグ」山口恵以子著

公開日: 更新日:

 佃島の商店街の一角にある〈はじめ食堂〉は、父がやっていた寿司屋を受け継いだ孝蔵が昭和40年に始めた洋食屋。帝都ホテルのメーンレストランの副料理長を務めていたので腕は確かだ。ある日、くたびれたジャンパーに膝の出たズボンという格好の少年がやってきた。メニューを見ても決められないようなので、孝蔵の妻、一子がすすめたビフテキセットに。テリーヌをつけてご飯もお代わりしたが、食べ終えると、実は一文無しだと言う。住み込みで働いていた工場が倒産し、社長が彼の貯金通帳まで持って逃げたとか。孝蔵はレジから札をつかみだして……。(「第1話」)

 心がほっこりする洋食屋の物語。(角川春樹事務所 1400円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差