6作家競作「決戦!新選組」第1弾 葉室麟氏が語る沖田総司

公開日: 更新日:

「心に傷を持つ沖田の目の前に現れたのが芹沢鴨で、彼の存在が沖田を変えていきます。天才でかつ青年っぽさを抱く人が何か変わるきっかけがあるとすれば、きっと年上の男との出会いだろうという気がするんですね。というのも私たち昔の世代だと分かるんですが、情熱的な活動家は、男にとっても魅力的ですから。史実にはありませんが、沖田にとって芹沢がそういう憧れの兄貴的存在だったのではと思います」

■アンチヒーロー「新撰組」が愛される理由

 新選組が幕を閉じて150年あまり。今なお、人々を魅了するのはなぜなのか。

「新選組というのは、明治維新という革命の時代において、体制側が革命派をつぶすための役割を担った集団です。しかも武力を使うわけですから、本来ならアンチヒーローで憎まれて当然の存在なのに、憎まれていません。その理由として個性的なメンバーたちによる群像劇であること、そして彼らが時代が失われていくことに抗った人たちであり、そこに私たちは、“失われた日本人の生き方”を見いだすからではないでしょうか」

 史実は一つでも、スポットを当てる場所が変われば別の物語が生まれる。個性の違う作家たちが引き出す新たな「見方」を楽しめるのが、この「決戦シリーズ」最大の魅力だ。

「実は参加する私たち作家自身も、どんな描かれ方があるのかと楽しみにしているんです。今後、近藤勇や土方歳三など新選組を語る上で欠かせない人物たちが登場します。どうぞお楽しみに」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈55〉仮死状態で生まれた三男、「視聴率30%と交換してくれ」と星空に願ったら…

  2. 2

    北島三郎「90歳の選択」…都内の大豪邸からホテル住まいで前向き生活

  3. 3

    (2)佐藤輝明は阪神から抜け出したかったのか? メジャー挑戦に拍車をかけた“選手管理”への疑念

  4. 4

    日テレ森圭介アナは社労士合格 「news LOG」和久田麻由子アナ、さらなる飛躍を目指せる「資格試験」のススメ

  5. 5

    天地真理デビュー55周年「激変近影」とほほ笑みのウラ…たどり着いた“閉じた世界”の安住とは

  1. 6

    YOASOBIドーム公演は大阪・名古屋・福岡でもチケット売れ残り…「1万4000円で座席ガチャ」の不満とアーティストの切実事情

  2. 7

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  3. 8

    日本ハム「織田翔希ドラ1強行指名」に現実味 メジャー挑戦を揺るがす制度変更が“付け入る隙”に

  4. 9

    (1)忍び寄る“暗黒時代”の足音…リーグ連覇の陰で深刻化した「主砲依存」と極度の育成不全

  5. 10

    まるで高市首相就任の“ご祝儀”箇所付け…地元奈良の選挙区ばかり交付金「最大6.24倍」増額の仰天