「脇坂副署長の長い一日」真保裕一著

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 深夜、夫婦げんかが原因で由希子が実家に帰ると、母や弟がいない。官舎に寝泊まりする父・脇坂に電話をしても、何も知らないという。賀江出署の副署長を務める脇坂は、これまでも家族のことは二の次だった。おまけに、その日は地元出身の人気アイドルが一日署長を務めるイベントが控えており、なおさらだ。

 そんな脇坂に、早朝、管内でスクーターの自損事故が起き、運転手が現場から消えていたと報告が入る。やがて、母親名義のそのスクーターを普段使用していたのが病欠中の署員・鈴本と分かる。鈴本とは連絡が取れず、焦る脇坂だが、イベントの時間が迫ってくる。

 刻々と変化する事態に対応する叩き上げの警察官を主人公にしたノンストップミステリー。(集英社 1600円+税)


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