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「あやかし屋台なごみ亭」篠宮あすか著

 大学生・木戸浩平は、酒を飲んだ成人式の翌朝、コンと名乗る見知らぬ男性が部屋にいるのを発見する。女を連れ込むならまだしも、なぜ男を連れてきたのか、といぶかる浩平に、コンは金曜日の夜だけに現れる不思議な屋台・なごみ亭に連れていってほしいとせがんだ。そこは中洲にあるメニューのない屋台で、誰でも行けるというわけではないらしい。

 店主のなごみは、コンは酔っぱらった浩平が注連懸稲荷神社で拾ったキツネであること、浩平をこの店に連れてくるために拾われたことを明かす。

 実は浩平は塩気が感じられない味覚障害があったのだが、食べることを楽しめないからこそ、この店に来る必要があったというのだ。浩平は味覚障害を治すためになごみ亭で働くことに……。

 双葉社ホラー&ミステリー大賞でミステリー準大賞を受賞しデビューした新人作家による屋台ミステリー。訳ありの客ばかりが集まる不可思議な屋台を舞台に、「食事を味わうこと」とは何かを考えさせてくれる。(双葉社 593円)

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