「不正に走る普通の人たち」前田康二郎氏

公開日: 更新日:

「日本の組織は人間関係が密であり、また社内の不正は内々に処理されがちです。“普通の人”ほど、自分が抵抗することで関係ない人まで巻き込むのではないか、事を大きくしてしまうのではないかと考える。気づいたときには断りきれず、不正にはまってしまうわけです。自分の手を汚したくない人は、そんなタイプの人を狙って囲い込んでくるものなのです」

 人が良くて向上心が強いタイプの人も狙われやすい。まずはその人の目の前で、「困ったなぁ」「誰かが解決してくれないだろうか」などと同情心をあおるような言い回しをする。これに対して「私が手伝いましょうか」と言い出したらしめたもの。いざというとき首謀者は、直接指示した覚えはないと言って、逃げ切る算段ができている。

 家庭があり簡単には身動きが取れない、おとなしい、口が堅いなどの特徴を持つ人も、不正の首謀者にとっては自分の手先として魅力的だ。自分は絶対に不正に関わりたくないが、狙われやすいタイプだと思う人は、正反対のキャラクターを演じてみることをお勧めすると著者。

「家族構成は変えられませんが、不正の首謀者にとっての危険人物になればいいのです。例えば、大きい声で大きいリアクションをする。“ちょっと話が……”と言われたら、“えっ! 何ですか!”“話って何ですか!”など周囲が振り向くほどの反応をしてみてください。“この話知ってますか!?”と頻繁に噂話をして、口が軽いタイプと思わせるのも有効です。バカバカしいと思われるかもしれませんが、“こいつは不正には使えない”と思わせることは、最も円満に不正から逃れる方法です」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた