「不正に走る普通の人たち」前田康二郎氏

公開日: 更新日:

 不正会計や粉飾決算など、会社や組織のさまざまな不正がどのような背景で行われていくのかを豊富な事例と共にひもといていく本書。もしも今あなたが、“自分は不正などしないし巻き込まれもしないから関係ない話だ”と思ったとしたら、それこそが最も危ない状況であると、フリーランスの経理として活躍する著者は警鐘を鳴らす。

「不正に関わる社員は、何も特別な人ではありません。身近で不正が起きた人にどんな社員がやったのかを聞いてみると、“いい人だった”“そんなことをする人には見えなかった”という答えがほとんどです。いかにも悪いことをしそうな社員は、自然と周囲が監視しているし、万が一が起きてもすぐに発覚する。逆に無防備な普通の人ほど不正の泥沼にはまりやすいので、注意が必要です」

 不正には自ら進んでやる不正と、誰かにやらされる不正の2つのパターンがある。前者は発覚しても自業自得だが、やっかいなのが後者だ。自分の手を汚したくないために、誰かに強要する不正というものもある。強要されている人を第三者から見れば、「きっぱりと断ればいい」「告発すればいい」と感じるだろう。しかし、現実はドラマの「半沢直樹」のようにはいかない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 4

    日テレ退職の豊田順子アナが定年&再雇用をスルーした事情…ベテラン局アナ「セカンドキャリア」の明と暗

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    フジ・メディアHD株主総会間近…328億円赤字でも「まだマシ」と思える系列ローカル局の“干上がり”ぶり